君しかいらない




そして

痛む足を何度も休ませながら

やっとの思いで見つけた彼女の墓は意外にも綺麗にされていて驚いた。



「…来たよ。

あんたは私に会いたくなかっただろうけどね。」

手を合わせてその場にしゃがみ込んだ。


こうして自分から、あの女に会いに来ることがあろうとは…


「私を…恨んでるでしょ?

許してなんて言わないよ。

けど…一つだけ伝えたい事があったんだ。」


花をビンに挿して飾る。