君しかいらない



「おじちゃんは?

来ないの?」


「知也?…まだ教えてないからね。」


「あーあ、つまんない。」


文句ばっかりの真理子を部屋に残し、お父さんの寝室に来た。


この部屋に入ったのはいつぶりだろうか。

正直、お父さんが亡くなってからは一度も来ていない。