君しかいらない


「夕飯の買い物に行くけど真理子も一緒に行く?」


座布団に顔を押し当てたまま首を横に振った真理子の頭を撫でて

いつものスーパーに向かった。



食材を選びながらつい、いなくなった真琴の分まで手が伸びる。


もう

あの家に帰っても

お父さんも真琴もいない。