君しかいらない



話しが全然見えてこない私は段々、苛ついて両手をぎゅっと握りしめた。


「お父さんはなんて答えたの?」

「もちろん断ったさ。

あいつに会社を盗られてから

ずっとずっとこの心に残っていたのはあいつへの憎しみだけだ。

いつか…俺が俺の力で会社を奪い返す。」


お父さんの目が充血し、まるで鬼のようで

私の体はその目を見た瞬間、凍り付いて身動きすらとれなかった。