君しかいらない


「パパに会いたい。」


大粒の涙を指でそっと拭って

強く抱きしめた。


「真理子は…パパが欲しい?」


「うん。パパに会いたい。

パパはどこにいるの?」



胸に幾つもの刃が突き刺さるような痛みを


溢れだしそうな涙を

強く唇を噛んでこらえた。