君しかいらない



「ねえママ、どうして真理子にはパパがいないの?」


「えっ?」



あまりに突然

娘が私の触れられたくない聖域に踏み込んだものだから


しばらくの間言葉を失い

ただ

真理子の頬を撫でていた。