君しかいらない

あたしの返事も聞かずに

知也はぎこちない手つきであたしの腕に赤ちゃんを預けると

『じゃあ行くか。』

あたしね大きな荷物を片手に軽々持って、真琴の手をひいた。


病室を出る時、振り返った知也の真剣な眼差しに

目をそらせなくなる。


「話したい事がある。

真琴、家まで送ったらすぐに戻ってくるから…

退院手続き済ませておいて。」

そう言うと

静かに病室を出て行った。