君しかいらない

赤ちゃんを抱っこした途端、知也の腕に緊張がはしり、ガチガチにかたくなったのがよくわかる。


ぎこちない抱っこで

だけど

あたしの赤ちゃんが産まれて初めて『パパ』に触れてもらった瞬間だった。


赤ちゃんの顔を覗き込んだ知也が

少しだけ照れ臭そうに笑うと

「鼻と口元、完璧に莉子に似てる」

って呟いたから

あたしの中の感情が一気に溢れだしそうになって

潤んだ目を隠すように俯いた。