君しかいらない



触れそうなくらいそばにいる知也に身を寄せる事もできずに

だけど

誰かの温もりが欲しくて

お腹にそっと手をおいた。



「…寒くないか?」


「…大丈夫。」


「なんか信じらんねえよ。

一年前は、莉子とこんな風になるなんて微塵も思ってなかったし。」

「あたしだって…そうだよ。」