君しかいらない

「そうだよ。

あたし…知也の赤ちゃんをお腹に宿してるの。」


青い青い海の果て。


開き直ったように笑顔を作った。


「なんで…そんな大事な事、言わなかったんだよ?」

少しだけ眉間に皺を寄せた知也に

一生懸命の作り笑顔で答えたんだ。

だって

涙なんか流したくなかったから。