君しかいらない



「着いたよ。」

そう言って車を停めた場所は

いつかお母さんとお父さんと来た…


ううん

知也と来た海だった。



「ここ…覚えてたの?」

「まあな。…莉子とデートしたのなんて数える程度だったし。」


この場所を覚えていた理由はどうであれ

あたしにとって特別な場所を知也が覚えていてくれていた事がたまらなく嬉しかった。