君しかいらない


以前と変わらない家の匂いが玄関に入るなり身体中に充満する。


久しぶりに帰ってきた家はよそよそしく私を出迎えた。


あたしが居間の扉を開けるのに躊躇すると思ったのか

知也が先に扉を開けた。

けど、入口で止まってしまった足どり。


前を向くのが少しだけ恐くて俯いた。