君しかいらない


少し見ない間に古ぼけた小さな一軒家。


木で作られた手作りの表札を目の前に突然、胸が苦しくなり足が動きを止めた。


「大丈夫。」

知也の優しい声さえ

今のあたしには頼りなく聞こえてしまうほど

胸の奥のざわつきを掻き消す事なんかできない。