君しかいらない


お父さんはあたしを受け入れてくれるだろうか。

突然、出て行ったあたしを真琴は許してくれるだろうか。

もちろん、そんな心配はあったけれど…

それでもやっぱり、今もこのお腹の中で生きている赤ちゃんの事が気掛かりで仕方なかった。


「大丈夫、俺がついてるから。」

優しく励ましてくれる知也に笑顔を返す事ができなかった。