君しかいらない

「ねえ、莉子…」

「ん…?」


見上げたそこにはさっきの困惑した表情が嘘のように消えて

怖いくらい真剣な眼差しがあたしを見つめていた。


「莉子がいくらそいつの事が好きでも…

莉子にそんな顔をさせる奴が相手なら、やっぱり俺…君を諦めるなんてできないと思う。」

「な、なに…言ってるの?」


「君がお腹の子を産みたいなら…俺がそいつの代わりにその子の父親になるから。」