君しかいらない

「どうした?

顔色悪いぞ。まだ具合い悪いのか?」

「えっ?」


あたしの実家から帰宅して早々、知也が心配そうにあたしの顔を覗きこんだ。


「義兄さんには近々、莉子が行く事伝えたんだけど…」

「お父さん…なんて?」

「…何も言わなかったな。」

「…そう」

「病院、どうだった?」

「えっ?」


一瞬、ドキッとして言葉がでてこなかった。