君しかいらない

「…あたしは?」


「莉子は…

莉子も家族だ。

だけど…」


伏せ目がちになった知也の目。

あたしはなんだかやるせない不安で

胸が締め付けられていた。


「莉子は家族だけど…

それ以上の存在なんだ。」

だけど、知也はあたしを見なかった。