君しかいらない

「ごめん…疑ってるとかじゃなくて…」

ただ、ずっとあたし達家族を陥れようとしてきたんだから

あたしの家族の事を心配してくれるなんて夢にも思わなかった。



「そうだよな…莉子が不思議がるのも無理ないよな。」

「だから、本当に疑ってるんじゃ…」

咄嗟に弁解しようとした瞬間

見上げた知也の表情が

穏やかすぎて

そのあとの言葉なんか出てこなかった。