君しかいらない

「そのかわり俺が次の休みに義兄さんと会ってくる。」

「えっ?なんで?」

「なんでって…少しは義兄さんの事も考えてやらないとな…」

「本当に…そう思ってる?」

不思議そうにしたあたしに

今度は知也が怪訝そうな表情を浮かべた。


「意味わかんねーし。

そこ、疑うところ?」



知也は膨れっ面したけど…

知也があたしのお父さんの事を心配してくれるなんて…

過去の出来事から考えても想像つかない。