君しかいらない

「冷たっ!!」

必死に両手で顔を押さえる。


冷たかったシャワーが

少しずつ温度を取り戻して

いつか

あたしを打つ温かい雨に変わった。


見上げたそこには

降り続く雨の隙間から

今にも泣きそうな知也がいて

あたしは一瞬、息を飲んだ。