君しかいらない

「そういえば携帯はどうした?」

「送り…返したよ」

「そう…」


小さな嘘。


今まで生きてきたなかで嘘なんか数えきれないほどついてきた。

なのに

知也の顔をまともに見れなくて

掻きむしるように痛い胸の奥。