君しかいらない

「あたし…天使じゃないよ」

「わかってる。」

困惑するあたしをからかうように笑った彼。

「君は天使さんなんかじゃなくて…

莉子。だもんな。」


「そうだよ…あたしは莉子。」

彼につられてやっと緊張がほぐれたあたし

久しぶりに会った彼の

綺麗に整った顔立ちに

「変わらないね。」なんて

思わず呟いていた。