君しかいらない



うなされて…た?


気付くと

背中が汗で濡れていた。



スーツ姿の知也が

淡いブルーのネクタイをキュッとしめると

「俺、もう時間ないから行くけど何かあったら電話して」

「…うん。」


心配そうにしつつも腕時計を確認しながら

慌てた様子で家を出た知也。


「朝に…なってたんだ」


カーテンの隙間から揺れる日差しが

見えていた。