君しかいらない

狭いリビングに

不規則な包丁のリズムが響く。


彼の背中が近いようで遠くて


こんなに胸が苦しいのは初めてかもしれない。





彼の作ったチャーハン。

以前はご飯を炊く事もできなかったのに…。



「ずいぶん進歩したね」

テーブルに並んだ二つのチャーハンを見て笑うあたしに

彼は照れくさそうに「まあね」とだけ呟いた。