君しかいらない

「ど…どうしたの?…これ」


真琴はあたしの質問にはこたえないで

ただ、小さい声で「痛い」と繰り返し呟いた。


そして

あたしの脳裏に浮かんだ顔。


それはあの女だ。


『新しいお母さん』

そう

お父さんが連れてきたあの女。