君しかいらない


隣り街と言えども

道なんか全然分からなくて

慣れない空気があたしをよそ者扱いしているように冷たい。



春の夜の風は冷たく

コートの上から着替えの服をかけて

このまま眠ってしまったら

もう二度と目を覚まさないんじゃないかと

凍える指に一生懸命息を吹きかけては

家の温もりを思い出していた。