君しかいらない

「嘘じゃないっ!!

あれは事故だったんだ…!!

お前は何も関係ないっ!!」


顔を真っ赤にして怒鳴り声をあげたお父さんに

あたしは小さく首を横に振った。


「お前は気にするなっ!

お前は真紀子の死とは無関係だっ!!

…そうじゃなきゃ…

そうじゃなきゃ…わたしは…」


お父さんの怒鳴り声が微かに震えて

目は真っ赤に涙を溜めていた。


まるで血のように

赤い涙が溢れてきそうで

あたしは息を飲んだ。