君しかいらない


勢いよく駆け込んで来たお父さんが

あたしの顔を見つめ

胸を撫で下ろすようにため息を吐くと

力いっぱいあたしを抱きしめて

震える声で言った。


「もう、目を覚まさないんじゃないかと思った…」

「…どういう事?」