君しかいらない

飲み物が並んである棚の前で

普段だったらすっと手を伸ばせるのに

今日のあたしは少し違った。


周りを意識しているのが分かるくらい

後頭部まで目をつけてるように緊張を張り巡らせていた。


目の前にあるジュースを手に取り

品定めをする振りをしながら周りに誰もいない事を確認する。