「ばいばい…ムウ」


真琴の小さな声が

どこにあるか分からない天国のムウにとどいたのかは分からないけれど


小さな手をきゅっと握りしめた。


真琴が初めて

真琴の感覚で受け入れた生命の終わり。


あたしにとってはちっぽけな犬にすぎなかった。

けど、真琴にとっては大切なものだった。