目を開けると、真っ暗な視界が広がる。 昼間より少しだけ軽く感じる身体を起こす。 「未だにあんな夢を見るなんて」 ため息を漏らし、ゆっくりキッチンに向かった。 真っ暗なリビングはひんやりと冷たい。 明かりを点けると、慣れない眩しさに目を細める。 一人で暮らすには広すぎるマンションが、さらに孤独を際(きわ)立たせた。 ――――寂しい。