「ほら、着いたぞ」 起こされた私は、ゆっくり身体を起こす。 まだ痛みが走る身体。 その身体を支えているのは、先生の温かい手。 車から降りると、 「温かいもんって、ラーメンのこと?」 隣町のラーメン屋。 「十分に温まるだろ?」 期待した私が馬鹿だった。 「ほら、入るぞ。ここの味噌ラーメンが旨い」 暖簾(のれん)を潜(くぐ)る先生に続く。