「何だよこのアザ?どうした?」 後ろからの声に、体がビクンッと反応した。 「何でもないです。一昨日、階段から落ちたんです。もう、大丈夫です」 「大丈夫じゃねぇよな?そうやって壁に手着けてねぇと、立てねぇんだろ?」 「………」 「その眼鏡とマスク取ってみろ!」 「出来ません!」 「取れ!」 「嫌です」 「取れやッッッ!!」 昇降口に先生の怒鳴り声が反響する。 「…出来ません」 「なら、実力行使だな」