――――――――――― 最終目的地、マンション。 「今日はありがとうございました」 玄関前。 制服の入った紙袋を渡された私は、お礼を言うと頭を下げた。 「いや、付き合わせて悪かったな」 「いえ、楽しかったです。それに服まで…」 少し目線を下げた私に、 「似合ってる。大事にしろよ」 優しく微笑んでいた。 「はい。大切にしますね」 「あぁ、じゃぁな」 「気を付けて」 右手を軽く挙げた先生は、エレベーターに向かって歩き出した。 その背中が小さくなるのを見届けた。