エレベーターで展望台まで上がると、ガラス越しに見える街並。

一面に宝石を散らした様な輝きに、一瞬で目を奪われる。


「うわぁ、見て。凄い」

「わかった、わかった」

嬉しそうに微笑んだ先生の顔に、胸が激しく高鳴った。

「良く見とけよ」

「え?」



夜景を?

それとも先生を?



「おい、俺の顔見ててもしょうがねぇだろ」

「だって…」

「馬鹿が」

あぁ、私が馬鹿でした。


向き直った私の頭を、先生の手が軽く触れた。

触れられた所から毛先まで、緊張が伝わっていく。

やっぱり先生が好きなんだと改めて思い知る。