そんな私を車に乗せると、またどこかへと走り出した。
風景を見ていても、土地勘のない私にはさっぱり分かるはずもない。
日の沈んでいく空をただ眺めているしかなかった。
しばらくして車が止められたのは、小さな洋風の建物の前。
車を降りると外の空気はとても冷たくて、思わず身体がブルッと震える。
風が肌を刺す様に掠めていく。
その風の中に、潮の香りをほのかに感じた。
先生にエスコートされ建物の中に入ると、既に数組のカップルがそれぞれテーブルに座っている。
「いらっしゃいませ」
通されたのは、窓側の席だった。


