それだけ言うと、紙袋を渡し試着室から出て行った。 足元にはブーツ。 訳もわからず言われたまま出ていくと、真っ白なコートを持った先生が立っていた。 「これ着ろ」 渡されたコートを羽織る。 「行くぞ」 先生が紙袋を持った手とは反対の手で私の手を捕まえる。 「ありがとうございました」 頭を下げている店員の前を通り過ぎた。 「せ、先生。お金。私、お金払ってない」 支払いをしてない事を思い出し、引き返そうと繋いだ手を引っ張る。 それに気付き振り向いた先生は、優しく微笑んだ。