固い“何か”に歯が当たった。 勢い良く齧(かぶ)り付いた所為で歯が痛い。 折れたんじゃないかと思う程の痛みがあった。 梅干しの種なんかじゃないこと位分かる。 だとしたら…これは何? 震える手で、おにぎりをそっと崩していく。 出て来た“何か”を見て愕然とした。 本来、そこにあってはならないもの。 口の中に入れないもの。 一瞬、見間違いだと思った。 ご飯粒の付いた“何か”を拾い上げる。 見間違いだったら、どんなに良かっただろうか。 やっぱり先生のお弁当を食べておけば良かった…