「そうなんですか?」
「ん?まぁな。これ、貰ってもいいか?」
「はい。では、お弁当も渡したことだし、私は部室に戻りますね」
「ちょっと待て。食い終わるまでそこに居ろ」
「は?」
いきなり手首を捕まれ、先生の隣にあった椅子に座らされる。
「弁当箱返すから、それまで待ってろ。これ食うか?」
机の隅に避けられた先生の弁当を差し出されたが、
「私の分もあるんで大丈夫です」
そう言って断った。
「旨い旨い」と食べている先生の横顔を見ているだけで良かった。
私の分も持ってくれば良かったと、少し後悔した。
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