どうしよう… そればかりが頭を巡る。 「あっ、何でもないです。用事忘れました」 逃げる様に教科室から出て行こうとした時、 「おい。何か隠しただろ。出せ!」 先生の言葉に焦りを隠しきれない。 「何も隠してない。何もありません!!」 焦っている所為で声が上擦る。 「生意気な。嘘吐いてんじゃねぇぞ!」 近付いて来た先生は、私の掴んでいたお弁当をひょいと奪っていった。 「返して下さい!!」 私がお弁当を奪い返そうと必死に飛び跳ねてみても、先生の頭上にあるお弁当には手が届かない。