『その声でささやいて』キケンな教師と危ないカンケイ



身の危険を察知し、少しでも先生から逃げようと後退して行く。


「逃げてんじゃねぇぞ?」

手首を捕まえられ、これ以上逃げられない。



「に…逃げてない…と思う…」

「目が泳いでんぞ」

嘘が、バレてる…


「人に体当たりするなんざ、いい度胸だな」

じりじりと詰め寄って来る。

背後には壁。

もう逃げられない。



先生の右腕が上がった、その瞬間――――


ギュッと目を強く閉じた。
いつか来るのか分からない痛みを覚悟して…



「いっ…たぁ!」

おでこを弾かれた衝撃は凄まじく、骨に罅(ひび)でも入ったかと思う程。