その後もマネージャーの仕事をしながらも、気付けば先生を目で追い掛けている。 白い息を吐きながら、大きな身振り手振りで指導している姿は格好良く見える。 あの眼差しで見つめられたら…そう想うだけで、顔が赤らみそうになる。 そんな事を想っていると、ふと目が合いそうになり、不自然な程に逸らしてしまう。 きっと不審に思われているだろうけれど、自分ではどうしようも出来ない。 ……それもいつもの事。 恥ずかしくなった私は、ぶかぶかのベンチコートに顔を埋(うず)める。 先生の香りにまた顔が赤らんだ。