「だとしても、もう少しどうにかなんねぇの?」 怒っているのかと思ったけど、そうでは無かった様で… 呆れているらしい。 どうにかなるものなら、私だってどうにかしたい。 だけど…この寒さには勝てなかった。 「手が温まらないと、どうにもならない…」 「そうか。だったら、これやるよ」 渡されたのはカイロ。 今の私には、こんな些細な優しさにも涙が出そうになった。 「おい、もっと腕振れ!!足上げろ!!腰高くしろ!!」 私がカイロを受け取ると、選手達の方へと歩いて行った。