「忘れ物したみたい。取りに行って来るから、先に行ってて」 「わかった。なるべく早く来いよ」 着替え終わり、部室から出て行く葉山に 「うん」 とだけ答えた。 忘れ物………そんなの…嘘。 葉山には悪いけど、見られる訳にはいかない。 他に誰も居ないのを確認してから…… もう一度広げた……布。 それを見て、唖然とした。 朝には真っ白だった筈の…体操服。 今、目の前にあるのは、黒く汚れた体操服。 所々に上履きで踏まれたであろう跡が付いている。 ……これはどう云う事?