窓から白い車を見下ろす。
まだそこに居てくれる事が嬉しい。


「あぁ。おやすみ」


今年最高の運を今日一日で使い果たしてしまったのかもしれない。


車が走り出したのを見送ると、先生の言い付け通り、着替えるとすぐに布団の中へ潜り込んだ。



テストの憂鬱と今日あった事の嬉しさで、心中は複雑に絡み合っている。

だけど…今の私の顔は、多分だらし無い。

…と云う事は、嬉しさの方が勝っている証拠。

それに、先生の『おやすみ』のフレーズが離れない。



今日の事を思い返す内に、夢の世界に落ちていった。