携帯を耳に当てると発信音が聞こえたかと思った途端、

「どうした?」

少し不安の入り混じった様な声が聞こえてくる。

それとほぼ同時にエレベーターのドアが開いた。



「ん…ちゃんとお礼言ってなかったから…」

「お礼?」

「うん…今日楽しかった」

「あぁ。そんな事か」

「そんな事じゃないよ」

「ん?」

「ありがとうございました」

「あぁ。もう着いたのか?」


先生と会話しながら、部屋に入り電気を点ける。

「うん。今着いた」

「早く寝ろよ」

「うん。おやすみなさい」