「そ、そうだけどさ」
「まだあん中にいたかったのかよ」
「そんなんじゃないけど」
「また今度な」
「え?」
「今日はもう遅ぇから」
「…うん」
先生の優しさなのか、単なる気まぐれなのか分からないけれど…
先生の言葉に思わず口元が緩んだのが、自分でも分かった。
浮かれた私は、先生の腕に自分の身体を近付けた。
「もうこんな時間なんだな。そろそろ帰るか」
クリスマスツリーの側にある時計を見上げると、ゆっくりと駐車場に戻って行く。
もしここで…「もう少しだけ」と強請(ねだ)ったら、果たして聞いて貰えるのだろうか?


