「しらばっくれる気?」 「何だよ?」 「突き飛ばしたじゃん!」 「誰を?」 「私を」 「誰が?」 「先生が」 「いつ?」 「観覧車降りる時」 「あぁ。あれか」 並んで歩いている所為で顔までは見れないが、声色が変わらないところをみると、悪びれた様子も伺えない。 「あれかって何?悪いとも思ってないでしょ?」 「あれは、お前がちんたらしてっからだろうが」 「だからって押す?押しちゃう?」 「うるせぇな。押さなかったら、まだあん中だぞ」 先生が振り返った先には、大輪を咲かせる観覧車。