なんて奇跡は無く、無情にもその時は訪れた。
「おっ帰りなさ〜い」
満面な笑顔のお姉さんがゴンドラの扉を開けてくれた。
そこから、一気に冷たい空気が入り込む。
ブルッと震えた私の背中を押す手。
『ちょっと押さないで!』
と言おうとした時…いや、『ちょっ』位は発していたかもしれない。
だけど、見事に
「早く降りろ」
の一声(ひとこえ)で掻き消されていた。
つんのめりながらも、どうにか地上に降り立った私。
それは、見事な着地を決めた体操選手の様な爽快な気分。
転ばなかったのを自分で褒めてあげたい。
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