「ほら、ツリーのところ」 「それだけじゃ、わかんねぇ」 「風船」 「あ?風船?」 「うん。風船」 「あぁ。あれか」 段々小さくなっていくピンクのウサギの着ぐるみ。 そのウサギが持っている、色とりどりの沢山の風船。 「欲しいのか?」 いつの間にかお互いの頬が触れそうな距離にいた。 「う、ううん。ちょっと…子供の頃思い出した」 「思い出?」 「…うん。あれね、泣きながら駄々こねて1個買って貰えたんだけど…」 「だけど?」 「本当は全色欲しかったんだよね。言えなかったけど…」